
キャバクラは、来店したお客さまを会話とお酒でもてなすお仕事です。お酒を作って会話をするだけなら誰にでもできるように思われますが、ただ接客するだけでは指名や売上にはつながりません。
キャバクラにはキャバクラなりの接客術があり、お客さまが「またこの娘と一緒にお酒を飲みたい」と思ってくれるように接することが大切です。酔っ払ったお客さまを接客することが多いため、少しのミスで怒らせてしまうこともあります。ですからどんなお客さまにも満足してもらえるように、キャバクラの接客術やマナー、ルールを身につけないといけません。
人気の売れっ子キャバ嬢はみんな、キャバクラ特有の接客術を心得ています。今回は、新人から経験者まで通用する「売れっ子キャバ嬢の接客術」を紹介していきます。
お客さまをしっかりおもてなしする
キャバクラではおいしいお酒を提供するよりも、おもてなしすることのほうに重点が置かれています。料金がほかの飲食店に比べて高いのは、キャバ嬢の「おもてなし料金」が含まれているからです。
お客さまがお酒を飲むことだけを目的にしているなら、居酒屋やバーでことは足ります。それでもキャバクラに来店するのは、キャバ嬢のおもてなしにそれだけの価値を感じているからです。
キャバ嬢がするおもてなしの基本は、会話です。お客さまが楽しくお酒を飲んだり、接待でのお客さまの場合仕事が円滑に進むように場を盛り上げたりするのがキャバ嬢の役目です。
場を盛り上げるといっても、友達同士、仲間同士でテンション高く盛り上がるときと同じではありません。
お客さまを褒めたり、話を聞いたり、場の雰囲気を和ませたりと空気を読みながらしっかりともてなしつつ、場を盛り上げるということです。
キャバクラでは、お客さまをもてなし、男性を魅了することで、指名を獲得し、キャバ嬢の売上につなげます。そのため、どのお客さまを接客するときも、もてなしテクニックは必要不可欠です。
<お客様に気に入られるもてなしテクニック>
●会話をよく聞き、大げさなリアクションを見せる
●男性を褒めて持ち上げる
●女性らしい言葉遣いに気を付ける
●女性らしい上品で清潔感のあるメイクやドレス
●膝や肩などにさりげないスキンシップ
●細やかな気配り
プライベートで男性と喋るときよりも、オーバーリアクションを心がけて男性の気分を盛り上げましょう。「すごい!」「さすが!」と言っていると、男性は上機嫌でどんどん話してくれるようになります。
話すときはできるだけ丁寧な言葉を選びます。品のない言葉遣いは避けましょう。そして、細やかな気配りができればお客さまは気持ちよく過ごすことができ、お客さまからの信頼がアップします。さらに接待で指名してもらえるようになれば、キャバ嬢の売上はさらにアップします。
お客さまの好みをしっかり把握してドリンクを作る
キャバクラにはどの席にも、ハウスボトルと氷、水が置かれています。
ハウスボトルは焼酎とウイスキー、ブランデーの3種類から選択できるお店が多いので、お客さまの好みをしっかり把握することが大切です。
席に着いたらまずお客さまの好みのお酒の濃さを確認し、「普通でいいよ」と言われたら氷を入れてから指2本分の高さまでお酒を注ぎます。
このとき、ボトルのラベルが上になるように注ぐのがポイントです。お酒の次に水を注ぎ、マドラーで混ぜたら完成です。お客さまに提供するときは、タオルで一度グラスの水滴を拭いてから、コースターの上に置きましょう。
お酒の量が少なくなったら、もう一度先ほどの濃さでお酒を作り、同じように提供してくださいね。お客さまのグラスについた水滴は定期的にタオルで拭いて、いつもテーブルの上がきれいに見えるように心がけましょう。
会話の流れで女の子もお酒をおねだり
キャバクラでは自らお酒を飲んで売上を上げることで、キャバ嬢自身の給料がアップしていきます。
売上を上げたいからといって、信頼関係ができていないお客さまにいきなりお酒をおねだりするのはご法度。席に着いたらまずは楽しく会話をして、お客さまとの信頼関係ができてきたかな?と思ったタイミングで「私も一緒に乾杯してもいいですか?」と聞きましょう。
なかには女の子が聞かなくても「好きに頼んで」と言ってくれる優しいお客さまもいます。
お客さまと乾杯するときは、キャバ嬢のグラスが下になるように乾杯して、それからお酒をいただきます。
お客さまの席を立つときは自分のドリンクと分かるようにする
キャバクラでは、フリーのときや指名が被っているときは、キャバ嬢がいろんな席を回ります。
ボーイに呼ばれたときにドリンクを飲み終わっていなかったら、グラスの上に自分の名刺を置いて席を立つと、ほかの女の子が席に着いたときに誰のグラスかひと目で分かります。
「〇〇さんお電話です」と一時的にテーブルを抜けてほしいという意味でボーイに呼ばれたときは、ハンカチをグラスの上に置いても構いません。
とにかくほかの女の子が飲んでしまわないようにするのがポイント。自分のグラスと分かれば大丈夫です。
たばこを吸われるお客さまの手伝いをする!
キャバクラに来店するお客さまは普段からよくお酒を飲む人が多く、その大半は喫煙者といっても過言ではありません。
吸わないキャバ嬢にとって、お客さまのたばこに火をつけるタイミングは難しいですよね。
お客さまがたばこの箱に手を置いたり、たばこを口元に持っていったりしたときは、すぐにキャバ嬢が火をつけます。そのため、接客中はすぐに取り出せる場所にライターを置いておかなければなりません。お客さまがくわえたたばこの近くで点火するのではなく、キャバ嬢の胸元でライターを点火し、もう一方の手を炎のそばに添えます。
右手はライターを点火、左手は添えるだけの状態でお客さまのたばこに火をつけてください。お店の名前が入ったライターや100円ライターなどでもいいですが、商売道具にこだわるならかわいらしいライターを探してもいいでしょう。
また、お客さまのたばこがなくなりそうなことに気付いたときは、お客さま本人に確認してボーイにたばこを買ってくるように頼むと、一層喜んでもらえますよ!
アイコスのお客さまにも対応できる気遣いとは?
最近はアイコスや各種電子たばこを愛用するお客さまも増えてきました。アイコスを取り出したら、バッテリーが切れていて吸えない…なんていう光景をよく見ます。
そんなときに備え、お客さまから気の利くキャバ嬢だと思ってもらえるように、すぐに使える充電器や代替用の電子たばこを用意しておくといいでしょう。
また、アイコスを話題にお客さまとの会話を盛り上げる作戦もアリです。
「アイコスカバーがおしゃれですね」「これってもしかしてアイコスですか? 気になっていたんです」などと話しかけ、お客さまから会話を引き出していきましょう。
接客中はできるだけたばこを吸わない
女の子が接客している間は、基本的に喫煙NGです。
お店によって(キャバ嬢の喫煙)ルールは異なりますが、仕事中である以上、自分がたばこを吸うことよりも、お客さまへのもてなしを優先することが大切です。お客さまが勧めてくれたときや許可してくれたとき、キャバ嬢の待機室に行ったときに喫煙するようにしましょう。
女の子の手前「たばこ吸ってもいいよ」と優しさを見せていても、本音では吸ってほしくないお客さまもいます。キャバ嬢個々のスタンスにもよりますが、接客中はできるだけ吸わないほうが、より多くのお客さまを獲得できる可能性が高いです。
お客さまのグラスの水滴を小まめに拭き取る!
キャバ嬢にとって仕事中のハンカチは必須アイテムです。
前のほうでも触れましたが接客中は、お客さまのグラスについた水滴を拭くためにハンカチを使います。お酒を作ってしばらくするとお客さまのグラスに水滴がつくので、気づいたらハンカチを取り出して、さっときれいにしてあげるのもキャバ嬢の仕事です。
水滴がたくさんついたままにするとコースターがどんどん濡れていき、テーブル上が汚らしくなりますので、常に清潔感あるテーブルを保ちましょう。ハンカチを忘れたときは、ボーイにグラスを拭くためのおしぼりをもらっても構いません。
とはいえグラスは自分のハンカチで拭くのがベターです。
ハンカチは下着を隠すのにも使える
ミニドレスを着けているときは、油断すると下着が見えてしまうことがあります。
しかしハンカチを膝上に置くことで、パンツのチラ見え防止に役立ちます。
ハンカチで隠していると、逆に男性の視線を集められるので、お客さまをドキッとさせる小道具にもなります。
ミニドレスが好きな女の子は、お客さまのグラスを拭く用と下着を隠す用の2種類のハンカチを用意しておくとよいでしょう。
ハンカチはデパートで売っているような上品なデザインのものを選ぶと、女の子の雰囲気にも上品さがプラスされますよ!
灰皿や空いたお皿などを片付けるテーブルクリーン
キャバクラではお客さまが気持ちよくお酒を飲める環境を保つために、こまめにテーブルの上を片付け、灰皿を取り替えることが大切です。
●使用したおしぼりが散らかっていませんか?
●灰皿がいっぱいになっていませんか?
キャバクラではお客さまの来店時やお手洗いなどのタイミングでおしぼりを使うので、テーブルの上にもおしぼりが多くなりがちです。
お客さまが使ったおしぼりは女の子が丁寧に四角く畳んで、お客さまの手が届く場所、またはテーブルの端に置いておきましょう。
おしぼりが汚れたときは、「お願いします」とボーイを呼んで交換してもらいます。
また、灰皿に吸い殻が2本たまったら交換です。落とした氷やゴミなどが入っている場合は使いづらいので、すぐに灰皿を交換してください。キャバクラでの灰皿交換は、きれいな灰皿を上に被せて灰が飛ばないようにフタをします。フタをしたまま回収し、端に寄せたらきれいな灰皿をお客さまの近くに置きましょう。交換するときは、グラスや食べ物などの上を通らないように気を付けてください。
お会計をしたら店前までお見送り
お客さまから「チェック」と言われたら「お会計」です。
「かしこまりました。ありがとうございます」と伝えて、ボーイを呼んでください。ボーイに向かって手で×のサインをすると、チェックであることが伝わります。伝票を持ってきてくれるので、お会計を済ませたら、お客さまをお見送りします。
お店によって入り口までお見送りのケースと、店の前まで出てお見送りのケースがあるので、店のルールに従ってください。
外に出る場合「ありがとうございました」と頭を下げて、お客さまの姿が見えなくなるまで見送ります。
お見送りをしたあとは、本指名の女の子に「ごちそうさまでした」と伝え、ほかの女の子には「お疲れさまです」と伝えましょう。
キャバクラは気遣いとおもてなしの方法を身につけられる!
売れっ子キャバ嬢は気遣いとおもてなしのプロです。
楽しんでもらえるように、お客さまの性格や好み、雰囲気を観察し、場の空気を読んで接します。
たばこを吸おうとしたらライターを用意し、お酒がなくなりそうなら新たに入れ…と、お客さまが次にする行動の一歩先を読むことが大切です。
キャバ嬢になりたてのころはお客さまのおもてなしが難しく、あたふたすると思います。体験入店や新人期間中はボーイが新人であることを伝えてくれるので、お客さまは女の子に優しく接してくれます。多少のミスをしても、怒られることはほとんどありません。
キャバ嬢として仕事をこなしていくなかで、先輩キャバ嬢の姿を見て仕事をしていれば、自然と気遣いとおもてなしが身についていきます。
キャバクラは「美人」だから売れるわけではない⁉
キャバクラは可愛くて美人の女の子が多い職業と思われがちですが、売れっ子キャバ嬢に大切なのは美人であることではありません。
いくら美人でも「気遣い」と「おもてなしの心」がなければ、人気を獲得できません。全国的に有名キャバ嬢のエンリケさんや進撃のノアさん、門りょうさんなどは確かにかわいくてキレイですが、それ以上に彼女たちの接客に人気の秘訣があるのです。
人気キャバ嬢に共通しているのは、お客さまとの確かな信頼関係が築かれていること、そして気さくで楽しく場を盛り上げることができるという点です。
彼女たちのSNSを見てみると、人気キャバ嬢の接客によってお客さまが全力で楽しんでいることが分かります。
お客さまが気持ちよくお酒と会話を楽しめる環境づくりができれば、それに伴って女の子の指名本数や売上も伸びていくでしょう。
今回紹介した売れっ子キャバ嬢の接客術を頭に入れて、あなたの接客に役立ててくださいね!