初めまして! 元キャバ嬢ライター松岡礼奈です。

私は18歳の頃に水商売、いわゆるキャバ嬢という職業と出会いました。もう今から10年以上前のお話です。

初めて働いたキャバクラは東京ではなく地方でのお店でしたが、その後歌舞伎町や六本木、地元客が多く集まる地域密着系のキャバクラなど、さまざまな店舗で働かせていただきました。

そこで今日はこれを読んでくださっているあなたに、「キャバクラで働くとはどういうことなのか?」を卒業者目線でお伝えしたいと思います。

水商売を始める前のイメージと、始めたあとの現実のギャップ

あなたはキャバクラに対してどのようなイメージを持っていますか? 

今でこそSNSやメディアでたくさんの有名キャバ嬢が取り上げられ、女子高生や若い女の子のなりたい職業ランキングにも入るキャバ嬢。

私が始めた10年前はメディアで取り上げられたりすることもなく、どちらかというと「やっているのがバレたらまずいから隠しながら働いている」というような人が多かったように思います。

今思えば全然隠さなくてもいいのにって思いますけどね。

私がキャバクラと出会ったのは、忘れもしない18歳のゴールデンウィーク。一人暮らしを始めて美容専門学校に通っていたときのことです。

美容専門学校はやっぱり可愛い子が多く、ファッションや美容、コスメなどやっぱりお金がかかるもの。そのときに流行っていたバイトがキャバクラでした。

それまで全くキャバクラというものを知らなかった私は、専門学校の友達に連れられてゴールデンウィークの連休中に、初めてキャバクラに体験入店という1日入店をしに行きました。おそらく大半の方はほんとに軽いノリで「キャバクラ体験行っちゃおうよ〜」という感じだと思いますが、私もその中の一人(笑)。

最初は「1日だけ〜」という軽い気持ちでしたが、きらびやかな空間やきれいな女の人が好きな私は、気づけば10年選手になっていました。

そんな私も今は1児のママをしながらフリーライターやさまざまなことに挑戦しています。私はキャバクラでの体験は一生のスキルになったと思いますし、胸を張ってキャバクラで働いて良かったと言えます。

でも、初めて業界に飛び込む人にとっては、キャバクラを始める前って、マイナスなイメージが先行しがちかもしれませんね。「男の人に触られて嫌な思いをする」だったり、「気持ち悪い男の人に言い寄られる」だったり。

でも実際働いてみると、そういうマイナスなイメージを持ったお客様もいましたが、基本的にはお店のボーイさんが助けてくれるので、そこまで嫌な思いをすることはありませんでした。

お金を持っている方や遊び慣れている方、キャバクラに行き慣れている方は、体を触ったりデートをしたいというよりも、単純に「可愛くて気の遣える女の子と飲んで楽しみたい!」という人が多いので、客層のいいお店に入ると、とっても楽しい職業です。

出勤スケジュールや時給はどれくらい?

18歳の頃は学校に通いながら働いていたので、週3回や4回など学業に支障が出ない程度で働いていました。

でも結局キャバ嬢にはまって専門学校を中退して、19歳ごろから週6のフル出勤に変更。その後、20歳になって東京の歌舞伎町のキャバクラで働き始めました。

歌舞伎町ではその頃ちょうど朝キャバが流行り始めたときで、私は夜ガールズバーで働きながら系列店の朝キャバで働き、ほんとに1日中働いているような感覚でした。

でも不思議と仕事は楽しくて辛くはなかったですね。そのお店を辞めてからは、歌舞伎町の夜キャバ1本になったり地域密着型のキャバクラで働いたりなど、いろんなお店で働きました。

だいたい時給4,000円前後のお店が多く、週5の出勤で普通のOLさんの倍以上は稼いでいたと思います。その頃はお金を貯めるために働いていたというよりは、遊ぶために働いていたような感じがしますね(笑)。

毎日お酒を飲む職業なので、自然とお酒が強くなりキャバ嬢仲間とご飯へ行ったり、バーやサパーで飲んでみたり、ときにはホストクラブに行くなど楽しい遊びをたくさん覚えていきました。キャバ嬢は日払いもできるので、暮らしていくお金には困ったことはないですね。

普通のOLをしていたら出会っていなかっただろう楽しい遊びがたくさんあったので、その頃のことは今ではいい思い出です。

まさに神客!? 私の良客エピソード

お客様の中にはマイナスイメージのお客様もいれば、良客と言われるとってもいいお客様もたくさんいました。

遊び方がわかっている人やキャバクラのシステムを知っている人は「どんどん飲みなよ〜!」と売上に貢献してくれたり、シャンパンを下ろしてくれたりしました。地方からわざわざお土産を持って月1回遊びに来てくれるお客様もいました。

さらに行きたかった芸能人のライブチケットをとってくれて、ライブに行ったあとそのまま同伴してくれたり、毎回サプライズで花束を持ってきてくれる人だったり。

花束って日常生活だとあまりもらう機会がないので、何も知らずにサプライズでもらえるとすごく嬉しいですよね。もうそこまでいくと、お客様というより友達感覚に近かったようにも思います。

仲のいい女の子のお客様が「Aちゃんと仲良いんでしょ?一緒に飲もうよ〜!」とテーブルに呼んでくださることもありました。そういうときは指名の女の子もお客様も、そして私もうれしいテーブルになりました。

でも、やっぱり一番うれしい瞬間は、お客様がフリーバックした瞬間です。新規のお客様が後日、自分の指名で戻ってきてくれることをフリーバックと言いますが、それまでたくさん連絡を取ったり電話をしたり、営業をしてきた今までの時間が報われる瞬間ですよね。

フリーバックは言い換えれば「自分のために会いにきてくれた瞬間」。その日はやっぱり一日テンションが上がり、接客も絶好調。従業員からも褒めてもらえるので、自分に自信がついて明日からもまた頑張ろうって思えます。

水商売をやめたきっかけと、この経験から得たもの

そんな私が水商売をやめたのは20代後半のときでした。そろそろ私もお昼の仕事を始めようかな? と思っていたときに、元々好きだった美容関係のお仕事に出会い、きっぱり卒業させていただきました。

今でもたまにキャバクラやスナックなんかを見ると、「私でもまだ働けるかな?」と懐かしくなる瞬間がありますが、今では1児の子どものママをしながらフリーライターとして活動中。今でもキャバクラに携わった10年は一生の思い出です。

私が「キャバ嬢をしてよかったなあ」と思うことは3つあります。

1つ目は「人見知りが治った」ということ。私は元々人見知りがすごく、引っ込み思案なネガティブ系女子でした。キャバ嬢になれば、1日多いときで10組20組とたくさんの人とお話をしなければなりません。少し荒療治ではありますが、キャバ嬢をしていなかったら今でもまだあまり人と馴染めず、人見知りな性格は治っていなかったと思います。

そして「言葉遣いやマナー、気遣いが学べる」こと。

接客をするのは大体年上の男性ばかりで、中にはお偉いさんや社長さん、政治家さんなど気難しい方もいらっしゃいます。その中でしっかりとしたマナーや言葉遣いをしなければ、相手を不愉快にさせてしまいます。

10代20代の女の子同士では使わないような言葉遣いやマナー、気遣いを学べることは、将来別の仕事をしたときにも役立ちます。仕事をしながら一生物のスキルを身につけることができるわけですね。

そして最後は「美意識が下がらない」こと。

今私は30代のママですが、やっぱり今でも美意識には力を入れています。ここは個人差が出るところではありますが、人に見られる仕事をしてきた経験からか、身だしなみなどには人一倍気をつけています。

やっぱり女の子はいつまでもきれいでいたいもの。その当時のキャバ嬢仲間も何人かママになっていますが、やっぱり美意識はみんな高いのでいつも刺激になっています。

私は子育てをしながらできる仕事を探したとき、フリーライターという仕事にたどり着きました。将来的にはフリーライターだけでなく、犬と子どものお洋服の販売事業やファッション関係のお仕事、そしてフリーライターでの経験を元にベストセラー作家を目指しています。

この行動力も、キャバ嬢時代に培ったものかもしれません。これを読んでくださった方が、キャバクラに対してプラスなイメージを持ち、素敵なキャバ嬢ライフを過ごせることを祈っています。