
「いつか秋葉原にお店を出したい」やりたいことを全力でやってるホストは女の子からも愛される
容姿と立ち振る舞いから彷彿とさせる「王子様」タイプのゆきむらゆきおさん。しかし話を聞くと自らを「ミク廃」と呼ぶほどの、人生の主軸がVOCALOIDの「初音ミク」と言っても過言ではないほどのハマり具合。
「一体何が彼をそこまでかき立てるのか」語って頂きました。
ーゆきおさんは休日は何をされてるんですか?
一人が好きで、休日はゲームをしてるかアニメを見てますね。ゲームはPS4を持っていて、ジャンルはFPS(シューティングゲームの一種)をしてます。あとVOCALOIDが好きでよく聴いてます。
ーよく言われると思うんですけど意外ですね!ロックが好きそうとか言われませんか?
よく言われます(笑)聴き始めたのは2年くらい前なんですけど、きっかけがあって。その時に接客で色々と悩んでいて、精神的に凄くまいっていた時にたまたまVOCALOIDを聴いて、凄く元気をもらえたんです。
ー割と最近なんですね。VOCALOIDの中でも好きな子はいます?
初音ミクですね。曲も凄くいい曲が多いです。
ー初音ミクいいですよね!ゆきおさんがホストになろうと思ったきっかけは何なんでしょうか?
当時少しお金に困っていて、親にも迷惑をかけたくなかったのでホストを選びました。Résistanceに来たのは「そら先輩」に誘われたからです。
ー実際にホストで働いてみてギャップとかは感じませんでしたか?
ホストで働く前は「プライドが高い」「昼職ができない」人たちの集まりだと思ってました。「夜王」に出てくるみたいな怖いイメージ。でもRésistanceの代表に会って、今まで持っていた考えは変わりましたね。
ーお店の代表の方はどういう方なんでしょうか?

代表は「世話好き」「悩みをよく聞いてくれる」「相談に乗ってくれる」「父親みたいな人」って感じですね。代表がそんな感じなのでRésistanceにいる人たちはみんな優しいし、ドロドロしてないです。アットホームだし、逆に平和すぎるくらい(笑)
ーそういうお店の良さがお客様の層にも現れたりしてますか?
そうですね。お客様もいい人や優しい子が多いですね。お客様によっては「自分は客だから話さなくてもいいでしょ」ってなる人もいるって話も聞くんですけど、うちのお店はお客様の方から会話を広げようとしてくれる人だったり、新人にも優しい、いわゆる「飲み方が綺麗」な人が多いです。
ーRésistanceさんはお客様の層もいいということですが、ゆきおさんにとってどういう女性に魅力を感じたりしますか?
本当にありきたりかもしれなんですけど「明るい子」が好きで。人間だからネガティブなところはあって全然いいし、落ち込んでしまう時もあるんですけど、一緒にいるときに凄く楽しそうにしてくれる人が好きですね。一緒にいるとこっちも楽しいんで。「自分の隣にいて喜んでくれるんだなぁ」って思うと凄く嬉しいです。
ー働いてみて感じたギャップもそうですが、実際にホストで働かれてみて変わったこととかはありますか?
変わったことですか〜…。そうですねー…。「やりたいことをやれる」ようになったことですかね。
ーゆきおさんにとってのやりたいこととは例えば?
初音ミクのライブとかイベントとかで東京だけじゃなく、大阪とか他の場所でやるようなものにも参加できるようになりました。僕は行くなら全日行きたいんですよ。でも昼職をしていると、時間だったり金銭的な面で難しいことが多いことも、ホストの仕事のおかげでできるようになったのはすごく嬉しいし、仕事へのモチベーションにもなります。
ーじゃあ仕事の中でやりがいを感じることも初音ミクさんがらみとか?
はい(笑)僕さっきアニメとかゲームとか好きって言ったじゃないですか。僕初音ミクが好きすぎて、バースデーの時とか「初音ミク」のタワーとかするんですよ。そういうことができる仕事って多分「ホスト」しかないんだろうなぁって思ったんです。好きなものに囲まれて、すごくその日幸せだったんです。店内全部初音ミク一色にして。
ー写真を拝見しましたけど、本当に初音ミクさんが好きなのが伝わって来るタワーですね!そんなゆきおさんがホストをしていて大変だなと思う時は、冒頭でお伺いした初音ミクさんにハマるきっかけになった接客でのしんどさですか?
そうですね。やっぱり人間関係が一般職でも大変なんでしょうけど、ホストは人間関係だけでできてるような仕事なので。お客様に対してもそうですけど、他のお店のキャストとの人間関係でも感じる時はありますね。後輩の売り上げを伸ばしてあげられなかったとか。人間関係は思い通りにできる部分ではないので。
(ゆきおさんの携帯が鳴る)
ーあ!待ち受けも初音ミクさんなんですね!
あ、そうなんです。ちょっと見てもらってもいいですか?
(初音ミクと隣にゆきおさんにそっくりな男性のイラストが描かれてる待ち受けを見せてもらう)
これ、イラストレーターさんに頼んで初音ミクと僕を書いてもらったんですよ。
ー本当にお好きなんですね!あれ?もしかしてスマホの色も…?
(笑)そうなんですよ。この初音ミクカラーのスマホが欲しくて、まだ半年しか使ってないスマホを解約してこれを買いました。
ーこれだけ好きだったらお客様とかも?
そう!結構曲を聴いてくれたりとか、プレゼントに初音ミクのフィギュアをくれたりとか本当に嬉しいんですよ。さっき人間関係が大変だとは言いましたけど、人間関係ならではの嬉しさも沢山あるなと日々実感してます。
ーじゃあ日頃、ゆきおさんがお客様とのコミュニケーションで心がけてるのはどういうところがありますか?
女の子の、悪いとこよりいいところを見なきゃなって。これは人間関係みんなそうだし当たり前だと思うんですけど、いいところばっかりに目を向けるようにしてます。
ー何か具体的エピソードとかってありますか?
すごく酒癖が悪い女の子がいたりとかしても、飲んでなかった時はいい子だったり、すごく普段は気を使ってくれたり助けてくれたりとか。そういういいところがあると許せたりするので…。悪いところばっかり見たら喧嘩したり揉めたりするのでしないようにしてますね。
ーその見方が結果につながると実感することってありますか?
なんか、自分がホスト始めたての頃は人間関係を思い通りにしようとしてて、その反動というか思い通りにならないことに病んだりしたりしてて。でも今は、「相手を受け入れる」じゃないですけど、いいところも悪いところも全部受け入れるようにしたら、相手も自分のことを受け入れてくれるようになってて、凄くお互いにいい関係でいられることが増えましたね。
ーそうした経験を経て今のゆきおさんの接客スタイルがあるんですね。
そうですね。なるべく飾らないようにしてますね。悪い意味でカッコつけたりしないようにしてるし、素の自分でいられるようには気をつけてますね。気疲れしちゃうというか、お客さんと一緒にいて楽しくなくなっちゃったりするので。
ーでもゆきおさんくらいかっこいい人なら女性から「もっとこうしてよ!」とか言われたりしませんか?

そういう時は謝っちゃいますね(笑)すぐ謝ります。気をつけてできるようなことは気をつけてするようにはするんですけど、どうしても難しいことに対してはできないしそれに対してすぐ「ごめんね」って言っちゃいます。
ーさっきの話で「ホストを始めたての頃は人間関係を思い通りにしようとしてた」と仰ってましたけど、働かれていくうちにそういう所も変わってきましたか?
考え方と性格がすごく変わりましたね。前の自分より今の自分の方が好きです。前の自分は子どもだったし、プライドも高かったと思います。今も少しは残ってはいるんですけど、前よりだいぶマシになりました。そういう内面的な変化が「ホストやって良かった」と一番思える部分かもしれないです。凄く人見知りだったし、当時は周りが全員敵だと思ってました。知らない人はみんな敵みたいな。口も悪かったし、凄い性格悪かったんですよ(笑)でも今は全くそんなことないです。
ーそういう部分は周りから言われて直したんですか?
いや、直さなくていいものだと思ってて「それが自分だ」と思ってたんですよ。でも働いてるうちにどんどん勝手に変わっていきました。自分で「こういうこと言うのやめよう」とか「かっこ悪い」とかって。すごい子どもだったのが、年相応になれたのかなって今は思います。でも、お客さんとの出会いが一番大きいかもです。本当にいいお客さんにいっぱい出会えたんで、そのおかげで直せたというか「自分ももっといい人になろう」って。色んな性格とか尊敬できる人がいっぱいいたんで。お客さんもそうだし、Résistanceの従業員含めて。そのお陰ですね。
ーそんなゆきおさんにとってのエースとはどういう存在なんでしょうか?
自分がしたいことを一緒にしたいと思ってくれる人ですかね。考え方が近い人というか。例えば、僕も一応幹部でもあるから、イベントの時にどうしてもやらなきゃいけなかったり、後輩に見せなきゃいけない時とかすごくあるので、そういう大事な時に一緒になってやってくれる人とか。世間から見たら都合のいい存在とかになっちゃうかもしれないんですけど、同じような考え方を持ってやってくれる人がエースという感じなのかなぁと思います。でもあんまり僕は「エース」って言葉は使ったことないです。エースって言い方自体も好きじゃないですね。
ーそんなゆきおさんのお客様の中で忘れられないエピソードってなんでしょうか?
いっぱいあるんですけど、今はもう指名を貰ってない人だから話しやすいということで話させていただくと…。クリスマスイベントの時にどうしても1位を取りたかったんですけど、ホストを始めて3ヶ月くらいだったので全然お客様もいなかったんです。でも、クリスマスイベントの時に、今までは会いたい時に会いに来てくれてた女の子が、仕事のストレスを抱えててそれを僕が聞くという形で月に数回来てくれてたんですよ。
僕が未成年ってこともあって、普段だったら会計が2〜3万でラストオーダーも「大丈夫」って言ってた子なんですけど。その子がクリスマスの日だけは「メニュー持ってきて」って言って、「これ入れたら喜んでくれる?」って、高額なクリスタルボトルを入れてくれて1位になれたんですよ。「あぁ、こういうお客様っているんだなぁ」ってホストになって初めて思えた瞬間でした。
ーそれは何となく前から伝えてたんですか?1位になりたいって。
いや、伝えてなかったんですよ。自発的に貯めててくれたみたいで。凄いびっくりしましたし、嬉しかったですね。初めての1位は。
ー初めてということで嬉しさも大きかったですよね。因みに、嬉しかった繋がりで最近嬉しかったこととかありますか?
母親がホストの仕事に対してずっと「賛成」ではなかったんですね。でもこの間、電話で認められてて…「その仕事をしてても変な方向に行かないって信じてるし、今頑張ってるのも認めてる」って言われた時は、泣きかけるぐらいには嬉しかったですね。今までの努力が認められたんだなって。
ーそんなご家族の方にもホストというお仕事を認めてもらたゆきおさんの将来の夢が気になります…。
僕は「家庭」がめちゃくちゃ欲しくて。ずっと子供が欲しくて、家庭に憧れがあります。できれば在宅で出来る仕事をしながら子供とかと一緒にいる時間が欲しいです。
他にも定まってない夢とかはいくつかあるんですけど…。
ー言うだけ言ってみてください(笑)
メイド喫茶やってみたいですね(笑)あとは僕自身は楽器とかもできないしイラストも描けないですけど、なんかそういうクリエイターとかを雇って何かを作る仕事をしたいですね。
ーいま私その話を聞いて思ったのが、そのチームが全員ホストとか面白そうですね。楽器出来るホスト、イラスト描けるホストとか。みんなクリエイターでみんなホスト、みたいな。
あぁ、それかっこいいっすね(笑)面白いかもしれない。
ー因みにメイド喫茶やりたいと思ったのはどうしてですか?
秋葉原で働けたら幸せじゃないですか。秋葉原にお店を出すなんて本当に夢だなぁって。結構僕秋葉原に行くんで。目的もなく行ったりしますね。あの空間が好きなんですよ。
ー夢と野望が多いですね(笑)他にはありますか?
クレヨンしんちゃんが好きなんですけど、幼稚園の園長先生がいいなぁって思っちゃって。色々大変な仕事なんでしょうけど子供と関われる仕事はいいなと思っちゃいますね。
ーお仕事の貴重なエピソードや、将来の夢や野望もたくさん語っていただきましてありがとうございました!